しし座の系外銀河 NGC3626 カルドウェル天体の40番でもあります。
しし座のお尻の辺りに位置する何の変哲もないSBb型の棒渦巻き型の銀河です。 レンズ状銀河に見えます。
地球からの距離は約7,000万光年、実視等級は11.0等。 強いて上げるならNGC 3632は同一天体だそうです。
昨日の記事のしし座銀河群のⅠグループに対して、しし座Ⅱクラウドに所属しています。
しし座Ⅱクラウド(Leo Ⅱ Cloud)は、しし座Ⅱ広域銀河群とも呼ばれ、 地球から6,500~9,500万光年の位置に分布する銀河群の集団で、北からりゅう座・おおぐま座・こじし座・しし座・ろくぶんぎ座の5星座に渡る広い領域を占めます。
しし座銀河団と混同されやすいそうですが、しし座銀河団はもっと遠方の1億光年以上先の銀河の大集団を指すそうです。
とかくこの銀河については資料が少なく、検索してもよく分からなかったのですが、この本に行き当たりました。
Deep-Sky Companions: The Caldwell Objects googleブックスでCaldwell 40の章が読めたのでかい摘んでみます。(私のつたない英語翻訳なので、合っている保証はありません)
この著者も「しし座には沢山の大きな銀河があるにもかかわらず、この光度11等の小口径の望遠鏡で見えるか見えないかのNGC3626をカルドウェル氏は何故リスト入りさせているのかと皆さん思うだろう。しかも、しし座唯一のカルドウェル天体である-」と前置きした上で、このNGC3626を「興味深い対象」としています。
このNGC3626は上のしし座Ⅱ広域銀河群の中で、さらに小さくNGC 3607銀河群と呼ばれる内の2番目に明るい銀河です。ここでも著者は何故カルドウェル氏は3607を選ばなかったのか?と言っています。
↓Wikisky画像をステラナビにマッピング 4インチの望遠鏡23倍で同視野に見えるが、ピントの合っていない恒星の様にしか見えない。130倍でも殆ど変わらず、20インチの反射鏡でも詳細はわからないが、これはM65より3倍以上遠くにあるためで、もしこの実直径70000光年、質量太陽の1200億倍のNGC3626がM65と等距離にあったならば、光度8.3等で、りゅう座のNGC5866より大きく壮観な眺めであっただろう-と述べています。
また、この銀河は(ヴァチカン美術館の螺旋階段のように)2つの異なる逆向きの流れの回転ディスクを持つ事が発見されている。 これは必ずしもこの銀河特有では無く、いくつか同じような銀河が見つかっているが、異なる回転方向の銀河が衝突・吸収することによって生まれると-(この辺りの専門的な訳がイマイチよく分かりませんでした)
まぁこんな感じで、苦労して訳した割には核心に触れる部分には語ってくれていないような気がします。 要は「遠いから小さくて暗いけど、実際は大きくて変わった銀河なんだよ」って事ですが、そんな銀河はゴマンとあるような気がします(^^;)
どなたか英語得意な方、間違っている部分があればご指摘ください。
トリミング前(NGC3626を左に持ってきて、NGC3607などと同一写野に入れたほうが良かったですね)
2013.3.16 3:04~3:22 EOS kiss X2 240sec×4枚 ISO 1600 RAW LPS-P2 FF Vixen R200SS (f=800mm) Celestron Advanced-GT kenko50mmFinder(改)ガイド鏡+Watec WAT-250D Deep Sky Stacker Adobe Photoshop CS5 最初は2つの異なったNGC番号が与えられているので、重力レンズで同一の銀河が2つの場所で見られるのでは?と勘ぐったのですが、そうでもなさそうで、カルドウェルさんは
ご存命なので (2012年12月にお亡くなりになられたそうです)、 一度真相を聞いてみたい気がします(^^;)
いや~でもいい本に巡り逢いました。 欲しいですがバリっと高いです。
この本を買うくらいなら機材にまわってしまうでしょうね(笑) 隣の安いほうでもいいかなぁ。
でも本って買うのですが、買うと安心してしまって"積ん読"になっちゃうのですよね。
VIDEO ↓撮影の励みになりますのでどちらか一押ししていただけるとうれ鹿です鯛 明日も頑張る倍(゚Д゚)
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コメント
山口のじぃ
天文学と天体撮影は全く別物と思っていましたが、規模の大小こそあれやってることは同じなんだ。
そこから何を得るかってことですね。かたくちいわしさんの調査分析に敬服します。
まさか、1億光年先の世界と重力レンズが我が趣味に関わってくるとは。ふ~ん^^;
山口のじぃ、今まで冗談が過ぎました。デヘヘはやめます(笑)
2013/03/20 URL 編集
やまねももんが
カルドウェルさんは、何か深い理由があったのでしょうかね。
一度手紙を出してみてはどうでしょう?
ところで、かたくちいわしさんがこれを撮影した訳は?
2013/03/21 URL 編集
にしん目かたくちいわし
いえいえ、昔に比べるとアマチュアが天文学に寄与できる部分は殆ど無くなってしまいましたね。それでも私のように天文学に無縁の者が、その小さな頭で少しでも理解しようとするきっかけにはなってくれそうです。
確か同じ銀河が重力レンズで別々の場所に見られるのが、どこかにあった気がします。 我々の望遠鏡で写るのか知りませんが(笑 このNGC3626が2つのNGC番号を与えられているのは、初期の位置測定間違いっぽいです。
これからもでへへでお願いしますよ(^^)
2013/03/21 URL 編集
阪神ファンいっこう
リンク先の本、おもしろそうですね。訳も見事です。日本語版、出版しませんか(笑。
2013/03/21 URL 編集
にしん目かたくちいわし
おはようございます。
今調べていたらカルドウェルさんは昨年の12月に享年89歳でお亡くなりになられたそうです。(´;ω;`)
いずれにせよ私が恐れを知らぬ小学生ならまだしも、"サー"の称号がつく天文学者に手紙を出す勇気はありません。 あ。所沢にメシエはんならぬカルドウェルはんがいてましたね。 きっとメールすれば快く大阪弁で答えてくれる筈です。「あんな、わしも・・・」
わたしがこれを撮影した理由は・・・只のカタログコンプリートです(^^;)
2013/03/21 URL 編集
にしん目かたくちいわし
もしカルドウェル氏が「宇宙のことを深く知る」ための布石としてこの40番を設定したのなら、私はその術中に上手く嵌められたことになりますね(笑)
何せしし座の銀河群には、近距離で銀河系の矮小銀河のグループ(こちらもグループⅠ~Ⅴくらいまで)、M66群などの3000万光年くらいのグループⅠ、この7000万光年くらいのグループⅡ、さらに遠方の銀河団まで、全部"しし座の銀河群”で紛らわしいったらありゃしません。 それを??と思いながら調べる羽目になりました。
資料が少ないので他人の引用ができませんね。私もさとうさんがお調べになったのを使わせていただく事が多いです。
出版業界にとってはamazonやグーグルブックスは親の敵みたいなものでしょうか。
カルドウェルさんもお亡くなりになられたことですし、敬意を表して誰か日本語版出さないでしょうかね。
2013/03/21 URL 編集
阪神ファンいっこう
所沢のカルドウェルはん、撮影困難でどこかに行ってしまわれました。今も所沢にいるのは、メシエはんのみです(笑
2013/03/21 URL 編集
にしん目かたくちいわし
そうなんですよ。私もビックリしました。 願わくばご存命の間にコンプしたかったのですが、果たせませんでした。 随分と波乱万丈の人生を送られたようです。 またイギリスでは多数のTV番組に出演されていたようですね。 動画を貼っておきます。 ご冥福をお祈りしましょう。
2013/03/21 URL 編集
やまねももんが
亡くなっていらしたとは、、、。
いろいろとお話を聞いてみたかったですね。
2013/03/22 URL 編集
kazu
昨日21日
宝珠寺に行ってきました
ライトアップのまま星撮りは白飛びして
やはり9時過ぎがいいと思いました
梅林寺は夜は入れませんが
梅庭園ははいれます またここの
立木と星は絵になると思いました
大きな木がありますよ、、、
2013/03/22 URL 編集
にしん目かたくちいわし
おはようございます。
BBC制作の彼が出演する番組「The Sky at Night」は55年も続いたそうですね。
そういった科学番組があること、それを支える視聴者がいるということ自体が羨ましいですね。
2013/03/22 URL 編集
にしん目かたくちいわし
こんにちは。
私も昨夜行きたかったのですが、体調が悪くなってしまい諦めました。
今はそのかいあって仕事してますよ(笑
宝珠寺難しいのですよね。 夜桜だけならライトアップ時がいいのはもちろんなのですが、星景となるとライトアップ時は仰るように白飛びしてしまうし、ライトアップが無くなると暗すぎて桜が浮かび上がらない-
昨年私が偶然やったみたいに、夜明け前がベストっぽい気がします。
2013/03/22 URL 編集