ろ(炉)座に位置する棒渦巻き銀河のNGC1097です。 カルドウェル天体の67番でもあります。
南天の見晴らしの良い亀石峠に来たので、南天低い対象を狙いました。
調べてみると我々から4500万光年離れたこのNGC1097は、中心に大質量ブラックホール持つセイファート(非常に活発な)銀河で、早い段階から
宇宙ジェット が観測されたようです。 どうやらこのあたりがカルドウェルさんがリスト入りさせた理由かも知れませんね。
またこの宇宙ジェットは近傍の矮小銀河を飲み込んだ残骸であるようです。
銀河のディスクを時計の文字盤に例えると、1時か2時のほうに小さな13等級の伴銀河が写っています。これはNGC1097Aと呼ばれ、本体から42000光年離れた場所に位置しています。
数億年後にはこの1097Aも本体に取り込まれていくでしょう。
またこれまでにSN 1992bd、SN 1999eu、SN 2003Bと、いくつか超新星が発見されています。
NGC1097 ろ座の系外銀河(SB bSy1)
赤経 02h 46m 19.0s
赤緯 -30° 16′ 30″
距離 4500万光年
視直径 9′.3 × 6′.3
視等級 10.2
その他の符号 ESO 416- G 20, PGC 10488, Arp 77, Caldwell 67
トリミング前
2012.11.19 1:52~2:05 180sec×4 EOS kiss DN ISO 1600 RAW Vixen R200SS (f=800mm) Celestron Advanced-GT kenko50mmFinder(改)ガイド鏡+Watec WAT-250D Deep Sky Stacker Adobe Photoshop CS5 ちょっとガイド星の関係で写野の中心を外しました。
我々の住む天の川銀河も棒渦巻き銀河のようですが、この様な形をしているのでしょうかね。
天の川銀河の中心にあるブラックホールの質量は太陽の数百万倍ですが、このNGC1097の中心のブラックホールは1億倍といわれているそうです。
星でも何でも飲み込んでしまうのでしょうねぇ。 くわばらくわばら
ちなみにスピッツァー赤外線宇宙望遠鏡が捉えた画像はこちら
↓撮影の励みになりますのでどちらか一押ししていただけるとうれしかです鯛(゚Д゚)
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コメント
ミッチー
銀河がめっちゃ下の方にあるのはガイド星のせいなのですね。僕だったら「もうちょっと上!」ですよ。
南天の銀河、ちょっとしたあこがれなんですが、こういった形が見える写真とはいいですね。
2012/11/26 URL 編集
悠々遊
棒渦巻きの姿がきれいに写っていますね。
天文台の大きな望遠鏡でなくても、アマチュアの機材でこれだけ写せる・・・すごい時代です。
宇宙望遠鏡の画像のほうはあまりに凄すぎて、むしろCG合成の作り物のように見えてしまいます。
2012/11/26 URL 編集
阪神ファンいっこう
えっ? 違う? 口座じゃない? ろ?
こりゃまた失礼しました。
それにしても、ほ座、や座、ろ座(笑。
ろ座には他にもおもろい銀河があるみたいですね。
2012/11/26 URL 編集
やまねももんが
ろ座ってどのへんですか?
調べてきたら、くじら座の下あたりなのですね。
腕の形が崩れていますが、これは他の銀河を飲み込んだ跡でしょうかね。
3分を4枚で、こんなに写るのですか。
ちょっとやってみたいです。
2012/11/27 URL 編集
さとう
ろ座あたりが狙えるということは、南側の低空の条件が良いんですね。今シーズンは南に低いカルドウェル天体は少しも狙えませんでした。羨ましいです。
2012/11/27 URL 編集
にしん目かたくちいわし
ガイド星がどーしても届かなかったので、止むを得ず中心を外しました。
このスピッツァーの写真、最初横向いてたのですよ。「何で北を上に向けないのだろう?」と回転させてうpしたのですが、そういう深い事情があるのだとは夢にも思いませんでした。
いや~ 中央部の深い穴・・・じゃなかったブラックホールとか、くぱぁ///してる腕やら、豆のような伴銀河とか、ぬちょ~んと糸をひいてるジェットはどこだ~ なんつってまじまじと見てしまいましたよ。
いや~ まさかそんな解釈があったとは。まったく思い浮かびませんでした(棒)
2012/11/27 URL 編集
にしん目かたくちいわし
こんばんは。
本当にいい時代になりましたよね。 銀塩だったらこれ撮るのに凄い苦労してましたよ。
またフィルムに銀河が写らないことつったらもう・・・
はやぶさで日本の宇宙探査技術のレベルの高さを~なんて喜んでいますが、NASAのスペースプログラムの概要を知れば知るほど桁違いであることに恐ろしくさえなりますね。
ハッブル―可視光、スピッツァー―赤外線、チャンドラ―X線、コンプトン―ガンマ線 で大規模観測計画って・・・
探査はまた別ですよね。 あなおそろしや。
2012/11/27 URL 編集
にしん目かたくちいわし
あぁ、宇都宮で有名な― それは餃子。 そうそう、お客さんとか上司に座っていただくのは―そりゃ上座や~
ろ座って言われても全くもってピンときません。 なんやねん炉って。 ところが英語でFornaxと言うとなんだか格好良くなるから不思議。
エリダヌス座とかこの炉座あたりも銀河系の星間物質が少なくて遠い銀河が沢山見えるみたいですね。 ろ座銀河団とかあるのですね。 はじめてしりました。
2012/11/27 URL 編集
にしん目かたくちいわし
おはようございます。
確かに炉座と聞いて位置がパっと思いつく人は多くないと思います。
丁度エリダヌス川が蛇行しているカーブの下にありますね。"彫刻室座の横"と言ったほうがわかりやすいかも知れませんね(わかりにくい?)
あ。この紐に繋がれた5円玉を見てください。
「あなたは段々直焦点がやりたくなーる。直焦点がやりたくな~る、やりたくな~る・・・」
2012/11/27 URL 編集
にしん目かたくちいわし
ここは本当に南側の視界が良いので、カルドウェルの80番台を狙おうと思っているのですが、カノープスより下の雲は終始まったく切れなかったです。 季節によってはノーチャンスとかもあるでしょうね。
「まぁ、撮れそうだったら撮る」くらいにしておかないといつまで経っても先に進めそうもありません(汗
2012/11/27 URL 編集
まるこう
でも、もしかたくちいわしさんの写真に超新星が写っていたのを私が発見したとして、発見者の栄誉は誰になるんでしょうか?
2012/11/28 URL 編集
にしん目かたくちいわし
綺麗なフェイスオンの棒渦巻きですね。 私ももう少し露出をかけて撮れば良かったと後悔しています。
恐らく、よく言われる「共同発見」ってヤツじゃないでしょうか。
「千葉県のまるこうさんと福岡県のかたくちいわしさんが、とも座の銀河NGC1097の中に14等級の超新星を発見」とかなるといいですね。 でもこういった超新星が出やすい銀河は毎日世界中のどこかでサーベイされているでしょうね。
去年でしたか、どこかの競馬場で一人がお金を出し、もう一人が三連単の予想を提案、その馬券が1000万位に大当たりして双方が権利を主張して裁判沙汰に・・・みたいな話がありました。 まぁなんと浅ましい(^^;)
2012/11/28 URL 編集