昨日の記事の手作りステップダウンリング+R64フィルターを使用した星野写真です。

以前にも書きましたが、光害対策用のLPS-P2-FFフィルターを広角レンズで使用すると、写野隅では斜めに光が通過するために、中心部と周辺部で光路長の違いが生まれ、干渉縞のようなものがムラとなってあらわれてしまいます。
顕著な例(中央部と周辺部で、バックの色や濃度が違う)

そこでLPS-P2の代わりにR64フィルターが使用されます。
ただし、そのままでは以下のように真っ赤になりますのでこれをモノクロ化後にL成分画像として、フィルター無しのノーマル画像と合成します。

ノーマル画像

ISO感度は両者とも800、露出も同じ5分とし、フィルター無しはF値を5.6に、R64フィルターのほうはF値を3.5としました。
・フィルターによるケラレの影響が隅に少し見られます。
・R64フィルターを使うとピント位置が変わります。 フィルター有りのほうはピントがまだ合っていませんね。
・フィルター有りのほうの下方に薄雲のようなものが見られます。この日は途中から薄雲がかかってしまいました。
・合成後、一番上の写真は強調処理してフラットエイドにかけました。 ナチュラル感を出すためにフラットエイド適用前画像と50%で合成しました。
・彩度を強調し過ぎて、星の色が黄色になってしまいました。
・もう少しバックは締めたほうが良いでしょうか。
ピントやF値、露出時間の問題などありますが、効果のほどはどうでしょうか。
LPS-P2のほうが赤い星雲のコントラストは良いとは思いますが、ムラになるよりは良いでしょうか。
近々またやってみます。
※追記
R64フィルター透過曲線

EOS5D ローパス透過曲線

R1フィルター透過曲線
↓撮影の励みになりますのでどちらか一押ししていただけるとうれしかです鯛(゚Д゚)
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コメント
やまねももんが
モノクロ写真かなと思ったらカラー写真じゃないですか。
ちょっとびっくりしました。
LRGB合成をなさったのですね。
うう~ん、勉強になりました。
R64フィルターを使うと、やはりピント位置が変わるのですね。
バックの濃度はこのくらいが好きです。
LPS-P2-FFフィルターは、広角レンズで使うとムラがでるケースがあるのでしたね。
すっかり忘れていました。
2012/11/24 URL 編集
阪神ファンいっこう
私は、SC-64フィルターを、52ミリ-48ミリのステップダウンリングではさんで、コマコレ3につけようかな、と考えていますが、大丈夫ですかね。
クロレッツ作戦を参考にして、もう一度考えてみます。
2012/11/24 URL 編集
悠々遊
何だか難しそうで手が出せません。
光害にめげずノーマル撮影に励むほうが、性に合っているように思いました。
何せものぐさなもので・・・。
2012/11/24 URL 編集
にしん目かたくちいわし
こんばんは。
対物レンズの前なので変わらないかと思いましたがやはり変わりました。
フィルター無しと同じ位置やズラしながら結構枚数撮ったのですが、まだまだピント甘かったです。
絞り値がフィルター有りより開けているせいではないと思います。
結局ノーフィルターとの合成で、フラットエイドを使ったので、Hαを選択的に通すLPS-P2を使っても良いのかも?と思いました。 また実験してみます。
2012/11/25 URL 編集
にしん目かたくちいわし
「52ミリ-48ミリのステップダウンリングではさんで」>あぁ、それいいですね。名案です。
フレアなどどんな影響が出るかはわかりませんが、なんでも実験ですね。
楽しみにしております。
2012/11/25 URL 編集
にしん目かたくちいわし
色々なやり方を知っていると便利そうです。 色々マニアックな事して結局はノーマルに戻る・・・ってなりそうですが。
まぁ今回のは「どうなんだろう?」という実験です。
私も擬似LRGBは初めてやりましたが、やっぱりやってみないと、読んだだけではわからない事が多々ありました。
2012/11/25 URL 編集
飴野天機
光害対策用のフィルターはまだ使ったことがありませんでした。
赤い星雲を強調するフィルター=R64でよろしいのでしょうか?
赤い光の透過性が良いのでしょうか?
私も試してみたいです。
今年の青森の秋は、夜の天気がずっと悪くて、
最悪な状態です。
このままだと八甲田山が雪で閉ざされてしまう;w;
ポチ
2012/11/25 URL 編集
にしん目かたくちいわし
こんばんは。
う~ん、赤をよく通すと言うより、赤~赤外以外は通さなくする―と言ったほうがいいかも知れません。
R64フィルターの透過曲線を追記しておきますね。 横軸が波長nmです。
赤い散光星雲のHα輝線は656nmで光っています。 一方光害の原因である水銀灯やナトリウム灯はもっと波長が短いのでフィルターでカットしちゃいましょう。という事です。
ただし記事中にある様にそのままでは真っ赤な画になるので、フィルター画像はモノクロ化してLRGBのL成分として使いましょう―です。
ところが、カメラのCCDやCMOSの前にはローパスフィルターという赤を写りにくくするフィルターがついています。 赤い星雲の656nmは25%程度しか通してくれません。 フィルターを使用しても相当な露出をかけないと写ってくれないと思います。
これまたしかもkenko R64フィルターは製造過程で環境に悪い廃液を出してしまうとかで、現在製造中止です。
似た特性のものでkenkoのR1フィルターか、他社よりペラペラのシート型のが売っています。
まるこうさんがこの前テストされていたので、見てみてください。 価格も安いです。
2012/11/26 URL 編集
まるこう
素晴らしい実験ですね。星野写真でも使えることを証明されました。
R64をL画像にしたので、バーナードループやエンゼルフィッシュがクッキリと浮かび上がっているようです。
LPS-P2の嫌なムラも皆無です。
2012/11/26 URL 編集
にしん目かたくちいわし
それがですね・・・自分としてはもっとクッキリ出るのではと甘い考えだったのですよ。
ピントの問題など解決しないといけない事もありますが、またやってみます。
結局はノーフィルター画像と混ぜるのでカブリの影響とかあるのですよね。 それでフラットエイドを使用したのですが、フラットエイド使うならLPS-P2でよくね?って話もあって。 う~んLPS-P2での画像も撮っておくべきだったです。 R64使うと微妙に焦点距離も変わります。 テレ側にいくみたいです。 重ねるのが難しいです。
2012/11/26 URL 編集