先日の夜遊びの際に撮影したM42です。
この日はISO1600で 1分×4枚 2分×2枚 3分×2枚 5分×2枚の計10枚多段露出、総露出24分撮りました。
前から疑問に思っていたのですがDSSで画像処理する際に、こういった場合に上記画像全部で処理すれば良いのか、5分×2枚をメインに残りの画像で白飛びを復元させればよいのかを迷っていました。
全部のほうが枚数が多いのでノイズの観点からは当然全部のほうが良いに決まっていますが、加算平均で折角の5分露出で浮き出た淡い部分が消えてしまわないか? と思ったのです。
やってみましょう。 条件を同じにするためにRGBのレベル、トーンカーブは同じにしてあります。
DSSが吐き出した処理前画像です。(ダーク&フラット処理もDSSに任せました)
先ずは10枚全部

続いて5分×2枚のみ

上下を比べてみてください。 5分2枚で出ている淡い部分はほとんど変わらないのに、上ではM42の白飛び部分が少なくなっています。 ラチチュードが広がったようになっています。
そして上では人工衛星が消えてます。 ラチチュードの件もDSSが勝手に色々してくれているみたいです。
今度は1分×4枚のみ

一番上と比較すると、流石に白飛び部分は少ないですね。 また淡い部分は予想通り出ていません。
ノイズはどうでしょう?
拡大してみます。
10枚全部

5分×2枚

10枚と比較すると荒いですね。また10枚の画像にもこの5分×2枚も入っていますが、ガイドエラーも平均化されたのか10枚のほうが星像が丸くなっています。
暗黒星雲の入り具合もより良くわかるようになっています。
1分×4枚

倍の4枚ですが、ランダムノイズはこれが一番多いように見えます。 露出時間も短いのに。
よく暗い場所を撮った露出不足の写真はとてもノイジーになりますね。 あれと同じような現象が起きているのだと推測できます。
露出時間が長いと、スポットノイズやアンプノイズは増えてしまいますが、ダーク減算などでソフトウェア的にそれらを打ち消せる場合は、露出時間は長いほうが良いようです。
以上からDSSで多段露出を処理する場合は、①全部をコンポジットしたもの ②短い露出のコンポジット を別々に作成して、①をメインに②で白飛び部分を復活させる― と良いようです。
ステライメージをお持ちの場合は①だけで白飛び復活ができてしまうのでしょうか。
さとうさんの報告にもあったように、M42の場合は多段露出が合っているのかも。
と、以上のような事を考えたのですが、何か間違っていたらご指摘くださいませ。
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コメント
sugitetu
その以前に、まともに枚数をそろえられないワタクシです...orz
2012/10/20 URL 編集
ミッチー
M42の多段。処理する以前の段階で止まってまして、今日などは、30秒露出を8枚撮ったところで曇ってしまいました。
それにしても、それぞれの露出時間ごとにダークを撮るのがすごーく面倒で面倒で。
2012/10/20 URL 編集
やまねももんが
とても複雑で難しい問題提起ですね。
昨夜は考えていたら眠くなって寝てしまいました。
DSSでの詳細な処理アルゴリズムが分からないので、はっきりした事が言えません。
コンポジットで輝度(ダイナミックレンジ?)がどうなるかを簡単にまとめてみました。
私のブログの2011/01/01に記事にしています。
ご参考になれば幸いですが、、、。
2012/10/20 URL 編集
まるこう
何も考えずに全部ぶっこんでしまえばいいんですね。えっ?違う?
ガイドエラーまでも平均化されて目立たなくなるのは驚きですね。
2012/10/20 URL 編集
にしん目かたくちいわし
ほんとですねぇ。奥が深いです。
こういうソフトを作り出す人ってすごいですね。 こっちはその機能すら理解できないというのに。
機材を考えたらsugitetuさんも十二分に凄いですよ。 "為せば成る 為さねばならぬ何事も・・・"の典型ですよね。 頭下がります。ホント(^^;)
2012/10/20 URL 編集
にしん目かたくちいわし
いやいや、「ガイドエラーが平均化される」んじゃないか? と思っただけで、本当はどうなのかわかりません。
平均化されたのではなくて、多数の輝度情報からDSSが余分な部分を削っている―のかも知れません。
こう考えると、5分が星像が伸びて、10枚が丸いのも納得できますね。
ミッチーさん気づいていたのが凄いです。私は今まで気づきませんでしたよ。 というかこの位伸びたものはコンポする前に失敗として弾いていました。 これからは気にせずぶっ込めそうです(笑)
30秒も撮れば良かったと後悔しています。 ダーク撮影って面倒ですよね。
そのうち調温機能がついた冷蔵庫でも買って、自宅で暇なときにダーク撮影しようと温度計を現地に持っていったのですが、前半と夜明け前では5℃以上気温が違ってビックリしました。
2012/10/20 URL 編集
にしん目かたくちいわし
こんにちは。
そうなんですよ。DSSのアルゴリズムがわからないのですよ。 解説があるのですが、これまた不得意な英語でダーっと書かれていて(当たり前ですが)読む気もしません。 一文一文解読しながら読んだとして、意味がわかるとも思えないので(笑) 経験則しかありません。
これまたサルでもわかりやすい解説ありがとうございます。 これによると、撮影対象によって例えばM42ではこの方法で良くても、M31ではまた変わってくるということになりますね。 そして○分を何枚、○分を何枚にするのか?などかなり複雑になってきますね。 感度、カメラの種類、光学系、はたまた空の状態にも左右されて、最適な枚数と露出時間を数値化するのはかなり難しそうですね。
やまねももんがさんの様に理論的に考えられる頭が欲しいです。 経験と勘(これまた大した経験もなく、勘も鈍い)しかないので困ったものです(´Д` ) それでは人に伝えられないからですね。
2012/10/20 URL 編集
にしん目かたくちいわし
「何も考えずに全部ぶっこんでしまえばいい」>これが正解かもしれません(笑)
何で星が丸くなるのでしょうねぇ。 摩訶不思議です。
やまねももんがさんの解説と、仮にDSSが「全部の画像(或いは全画像の○%以上)に写っていない部分は削除する」機能がついているとするなら、あまり短時間露出の画像は多く使わないほうがいい― と言えるかも知れません。 (全体の割合的に) 解説下手ですみません。
2012/10/20 URL 編集
悠々遊
ということは最初っから全部ぶち込んで加算平均しても同じことか・・・。
私の場合、画像処理や画像補正って、一応は使っていますが、意味を論理的に理解する能力も、理解しようと努力する根気も持ち合わせていないので、表面をさっとなぞっているようなもので・・・。
2012/10/20 URL 編集
さとう
ステライメージの場合と言いますか、自分の場合は、長時間露出分と短時間露出分をそれぞれ別に平均加算でコンポジットし、最後に加算で両者をコンポジットしています。少し手間ですが、この方法が一番いいみたいです。
2012/10/20 URL 編集
阪神ファンいっこう
参考になることが多すぎです。
アルゴリズムとか、難しすぎです。
冷蔵庫がなぜ冷えるか、みたいな感じです。
気にしないで冷やしています(笑。
いかん! 頭を使ったら眠気が
(-.-)zZ
2012/10/21 URL 編集
にしん目かたくちいわし
「全部加算」ですか。 なんか凄い事になりそうですね。
ステライメージもナビゲーターのように○周年記念verとか出してくれたら飛びつくのですが。
ナビゲーターがかなり売れたと思うので、アストロアーツさんが味をしめてくれたらいいのですが。
私も諸先輩方が色々残してくれているのでそれをなぞっているだけですねぇ。(^^;)
2012/10/21 URL 編集
にしん目かたくちいわし
こんにちは。
なるほど、別々に平均加算⇒加算 ですか。 勉強になります。
Phtoshopで同じようになるかはわかりませんが、ちょっとやってみますね。
2012/10/21 URL 編集
にしん目かたくちいわし
アルゴリズムかコアリズムか、もう今更腰をクネクネするしかありません。
冷蔵庫⇒ムニャムニャ⇒冷える みたいな感じですよね。 その「ムニャムニャ」部分は我々は気にしてはいけないのかも知れません。 何も考えずに、冷蔵庫⇒冷える になってますから。
よく「冷媒の関係で・・・」とか言って誤魔化していますが、どういう原理かはよく知りません(笑
2012/10/21 URL 編集