私の考えが正しいかどうかわからなかったので、封印していたA-GTのデコポン対策です。
この記事を参考にされる方はくれぐれも自己責任でお願いします。
最悪モーターを破損する恐れがあります。基本的には鏡筒のバランス調整と、オートガイダーの設定数値の変更で調整していくべきです。 「それをやったのにどーしてもオートガイドがうまくいかない」場合に機械側の調整をしましょう。
※10/26追記 この調整で改善したかに見えましたが、昨日前ほど酷くないですがデコポンが出てしまいました。
モーター側のギアを押さえつけるのは、バックラッシュが少なくなったように見えるだけで、実際は編芯しているのではないかと思います。 それを見越して、例えば「5枚中1枚はガイドが大きく流れても使わなければいい」という考え方もできます。
でもやはり根本的な解決ではないので、オートガイドやA-GTのソフトウェア側での調整が肝になってくると思います。 また新たにわかったら記事にします。A-GTは安価な中国製赤道儀で、精度はお世辞にも高いとは言えません。 ピリオディック測定値
参考(上から3つ目)
オートガイド前提で利用するため、ピリオディックモーションはあまり気にしなくてよくなってきたとは言え、何事も程度というものがあります。 ユーザー側で少し調整してやらないといけないようです。
リンク先の数値を信じる限り、A-GTかSE-2で迷っておられるならSE-2(上から4つ目)をオススメします。(A-GTにはPEC機能もないですし) 予算的に安い方が-という方にはA-GTのコスパはいいです。

さて、わかりやすくするために赤経側の写真を使います。カバーを外したところです。
モーターで発生した動力は、ギアA→ギアB→ウォーム軸に付けられたウォームギア(ボックスの中で写真では見えません)→ウォーム本体 と伝わって赤道儀を動かします。
ギア側からの写真

今回問題なのは赤緯側です。 構造は赤経側と大体同じはずです。

どちらかが第一ギア、第二ギアと呼ぶはずなのですが、わからないのでそれぞれギアA・Bと呼ぶことにします。
この赤緯のギアAは指で触ると、軸ごと数ミリ動くほどグラグラでした。
デコポン現象は、ガイド星が北か南の何れかにズレる⇒オートガイダーは修正信号を何度も出すが、赤道儀は反応できず⇒ある時点で力が開放されたかのように大きく赤緯側が動く というものでした。
そこでこのギアAの遊びが大きすぎて、修正する動力が遊びの分だけ逃げていて、ある時点(力が限界まで溜まった時)に開放されているのでは? と考えました。
よって上の写真のモーターを取付けている3つのネジを、ドライバーで同じ量だけ緩め、ギアAをギアBに押し付けるようにして再度ネジを締め込みました。
※ギアなので遊びは必要です。 あまり押し付けて硬くしてしまうと、モーターのトルクでは回転できなくなり、モーターの破損に繋がります。

3つのネジの締め込み具合を調整して、色々な角度から2つのギアを見て、斜めに取り付けて偏芯しないようにします。
もう一箇所、バックラッシュの発生するところがあります。
一番上の写真で、「ウォーム軸に付けられたウォームギア(ボックスの中で写真では見えません)→ウォーム本体」の赤緯側に相当する部分です。

写真の通り、サイドの2つのネジを六角レンチで緩め、真ん中のネジを締めると、ウォームボックスごとウォーム軸がウォーム本体に押し付けられるようになります。
こちらも両サイドのネジは同じ量だけ緩めるようにして下さい。
押し付けるとバックラッシュは減りますが、動きは硬くなります。 クランプを緩めて手で赤緯軸がクルクル回る程度に締めます。 また、硬くするという事は、ボックスごと歪んでいるだけかも知れません。
今回はこれだけで、モリブデングリスを各部につけるだけにしました。
本来なら全部ギアを外し、古いグリスを綺麗にしてから組み直し、グリスアップしないといけないでしょう。
今回私のデコポン現象は夏場に起きました。 熱でグリスが緩くなり、発生した可能性もあります。
バックラッシュ調整も、夏は硬めに、冬場は緩めに調整するのだそうです。
以上の調整でデコポン現象が気持ち収まった気がします。
本当は「硬すぎて回らなかったので、緩くするべきだった」のかも知れません。 今後の検証が必要です。
もっとトルクフルなモーターに交換できたらそれがいいのですが。
※さらに追記
現在はこの記事とは逆に緩めの設定をしています。グリスもデフォルトのグリスを拭き取り、柔らかなスプレータイプの汎用グリスを使用しています。
これだと遊びが大きくなり、ガイド星が大きく揺れるように感じるのですが、動きが軽くなって修正が瞬時に起こるようになりました。 結果ガイドが安定するようになっています。 「ハンチングまではいかないけど、動きは軽快」でGuide Masuterの場合、ガイド画面の軌跡が綺麗な円を描くようなポイントや設定を探すのが肝のようです。
結局のところその円はやや大きくなるので、写真として見た場合に星は点状にはなるものの、微光星が針で突いた様な鋭い高精度のガイドはできません。 これは赤道儀の性能の限界みないなものかも知れません。
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コメント
やまねももんが
夏場にギヤの遊びが大きくなるのは、熱膨張のためかなと思っていました。
温度が高くなると、間隔も含めて全ての寸法が大きくなります。
ギヤは真鍮ですよね。
ギヤ同士の間隔を決めているのが別の金属ですのでちょっと複雑ですが、、、。
真鍮の熱膨張係数だけで計算すると、
温度が10℃高くなると、0.02%膨張します。
思っていたよりも小さい値でした。
という訳で、熱膨張が主原因ではなさそうです。
2011/10/25 URL 編集
にしん目かたくちいわし
こんばんは。
真鍮は0.02%/10℃ですか。 ギアの加工精度のほうが悪そうです(笑)
オール中国製ではなくて一部は日本製品も使ってあるとは思いますが。
自分はてっきり夏場は膨張して隙間が無くなるのかと勘違いしていました。
そうですよね。すべての寸法が大きくなるのですよね。
先端部分では隙間が距離的に大きくなってしまいますね。
今夜は晴れそうです。 でも明日も晴れそうです。
今日行くべきか、明日行くべきか。 2晩つづけてはちょっと。。。
2011/10/25 URL 編集
阪神ふぁんいっこう
2011/10/25 URL 編集
KAZU
HDD上がると困りますね~
しかし世は災害が多すぎます
私達はほんと幸せですよね・・・本当に
そう感じます。
今(10/26)湯布院から帰ってきて仮眠するか
どうか迷っている所です
蛇越展望台で由布岳の朝霧をと
思っていったのですが曇りでした
久住阿蘇の紅葉はまだまだでした
今年はだいぶ遅いですね
2011/10/26 URL 編集
にしん目かたくちいわし
昨夜撮影に行ったのですが、微妙なデコポンが出ました。 酷くはないけど撮影には影響ありまくり。
また一からやり直しです。 退散したいです(汗)
2011/10/26 URL 編集
にしん目かたくちいわし
こんにちは。
我々もいつ災害に遭うかわかりませんよ。 阿蘇山がフルパワーで爆発したら九州無くなるという話ですからね(笑) この場合は備えてもどうしようもないですが。
蛇越展望台いいですね。 霧と朝日に染まる由布岳、画になるでしょうね。 残念ながら曇りでしたか。
他にカメラマン来てましたか?
温泉に浸かってくる というのも手ですよ。 ポカポカして寝ちゃいますかね(笑)
今年の紅葉は遅いですね。 一部では紅葉せずに散ってしまうのではないかと言われているそうですね。
今年は何かおかしいです(><;)
2011/10/26 URL 編集
KAZU
蛇越には久留米から数名こられていましたよ
曇りでお互いがっくり話でした・・・笑い!
今日 北野コスモス街道へ行ってきました
ログハウスの所で撮影しましたが
怪しい人に見られないように気を使いました・・・^^;
2011/10/26 URL 編集
にしん目かたくちいわし
久留米から みんな熱心ですね。
コスモス街道のログハウス、どこでしょう?
そんなのあったかな??
どうしても夜は怪しい人に見られてしまいますよね。
ウチの近所にカメラ三脚持った人が、夜中にウロウロしたら気持ち悪いですもん。
2011/10/27 URL 編集
まるこう
私のも、時々ピヨーンと飛びます。
あっ、これはデコボンとは違うかな・・。
2011/10/28 URL 編集
にしん目かたくちいわし
いえいえ、これがテストしてみるとあまり良くなかったです。
逆転の発想で、「締める」のではなく「緩めて」みました。
昨夜は上手くいきました。 何時間でも追うのでは?と思うほど精度高かったです。
で、次行くとまた出たりするんですよね。
何度かテストして良さそうだったらまた記事にしますね。
2011/10/28 URL 編集
金子
デコポンと書いてあったので果物のかと(笑)
私の場合なのですが、動く基本である機械部分をしっかり調整して調整しきれない部分をソフトで補うようにしています。
力が溜まって開放されるという事から推測すると、どこか噛み合わせがキツイのかなと思いました。
以前の実験で恒星時駆動時でモーターを無理に手で止めてトルクや電流値や特性を確認した事がありますが、負荷を加えても回転は一定で、無理にモーターの回転を止めてやりその後、力を開放してやると、カッと回ります。
まるで今回のデコポン現象と似ていましたので、そう思いました。
ギヤードモーター自体に遊びがありますので、変芯が気になる様でしたら、ピニオンギヤどおしの噛み合わせは程ほどで良いと思います。
ウォームホイールとギヤの噛み合わせは馴らしをする事で不均衡さは解消されますが、バックラッシュはたとえどんなに押し付けても少し残ります。
価格から考えると仕方の無い所なのですが、後はA-GT機能のアンチバックラッシュの調整でかなり良い所まで追い込み可能です。
以前A-GTでテスト撮影を行った時にAO8が補正範囲を超え赤道儀側のオートガイドに切り替わったのですが、ガイドリレーの音がしなければいつ切り替わったのか画面上のガイド星では分からないぐらい良くガイド補正していました。
C8、F6.3でも純正仕様でのアトラが完敗してましたので、調整次第で良い仕事をしてくれるかと思います。
参考までに、私はウォームギヤのグリースは全周に薄く塗って回しながらサラサラなオイルをスプレーしていましてかなり粘度の低い状態となっています。
夏冬を気にしなくて使えます。
季節を気にするのはボルトの緩みでした。
と、相変わらずの長文になりましたが、余計なお世話でした。
2011/10/29 URL 編集
にしん目かたくちいわし
スミマセン、勝手に変な名前をつけてしまって(^^;)
はい、私も「締めたのは、バックラッシュは小さくなるものの、動きが悪くなってしまっている」と感じたので、先日緩くしてテストしてみると、良好でした。
金子さんの仰る通り、アンチバックラッシュの設定を色々変えてやるといい結果がでました。
私も付けていたグリスを拭き取り、前回からサラサラのミシン油をつけてます。 何度かテストしないと記事にはできないな-と思っていたのですが、金子さんと全く一緒の事で自信が持てました。
それと、アンチバックラッシュの設定はポジティブとネガティブは同じ値にされてますか?
ふと「別に同じじゃなくてもいいのでは・・・?」と思ったもので。
わかりやすく説明していただいてありがとうございます(^^)
2011/10/29 URL 編集
金子
ギヤーのバックラッシュはモーターの正転(ポジティブ)逆転(ネガティブ)とも同じなので、同じ値を入力しています。
ところで、ハンドコントローラーとモーターコントロールボードのファームウエアが最近UPDATEされて、導入の仕方とか良い感じになっていますよ。
またベランダとか自宅庭で撮影される人には、カスタムレート9が出来るようになりましたので、自動導入速度の変更が出来て音が気になっていた人にとって有り難いと思います。
2011/10/29 URL 編集
にしん目かたくちいわし
こんばんは。レスありがとうございます。
なるほど同じ値でいいのですね。 こちらも自信が持てました。
ファームウエアのアップデートをしたことがないのです。 難しくはないと思うのですが、至らない事をして壊したらどうしよう-とビビってます(笑)
カスタムレート9の変更もベランダ観測者には嬉しいでしょうね。 騒音が半端ないですから。
2011/10/30 URL 編集